2011年2月24日木曜日

世界の花粉症

すでに述べたように、ヨーロッパではイネ科の植物、アメリカではブタクサが多い。日本のスギ花粉症を含めて、世界の3大花粉症ともいわれる。
ヨーロッパのうち、大陸では各種の樹木による花粉症も少なくはないが、花粉症発祥(発見)の地であるイギリスではことにイネ科の花粉症が多く、人口の15~20%以上が発症しているという[要出典]。文献的にはスペインにも多い。一般に北欧と呼ばれるスカンジナビア地域ではシラカバなどのカバノキ科の花粉症が多いといわれ、10~15%程度という数字がある。最近ではこうしたカバノキ科の花粉症をヨーロッパの花粉症の代表的なものとして述べることもある。地続きであるロシアでは極端に少ない。
アメリカ合衆国における有病率は5~10%程度といわれる。ブタクサがほとんどともいわれるが、国土が広大なため、地域によってさまざまな種類の樹木・草本が問題になっているようである。北欧と同じく寒冷な地域であるカナダではカバノキ科の花粉症が多く、6人に1人という数字もある。
アジア太平洋地域では、文献的にはトルコやオーストラリアなどが40%以上という異常に高率の有病率を示しているが、この数字には疑問が残る。実際には10~20%と推測される。
世界的にみて、先進工業国ではおおむねアレルギーが増えており、花粉症も全人口の1~2割というところではないかとみられている。
いずれも、英語圏でなくとも、あるいは Hay(干し草)が原因ではなくとも、Hay fever の病名が慣用されることがある(そのため、花粉症の説明において、干し草が原因ではないとのことが述べられることもある)。さらに、アレルギー性鼻炎全般を Hay fever と代名詞的に総称することすらあるようであり、一般向けの病気についての解説等は、日本の感覚では疑問を持たざるを得ないことがある(もっとも、症状や治療方法はほぼ同じであるため、原因物質によって区別する必要もない)。
これらのうち、カバノキ科の花粉症が多い北欧やカナダでは口腔アレルギー症候群を示す患者も多く、カナダでは花粉症患者の半数程度[要出典]が経験するという。
こうした日本国外の花粉症については、プロスポーツ選手の日本国外進出などにともなって、ニュースとしてよく目にするようになってきている。

日本国外への旅行時の注意

日本国内であればマスクや薬の入手は容易であるが、日本国外ではそうとは限らない。特に欧米では工事現場や病院等の特定の職場で働く人間、もしくはよほどの重病でない限りマスクをする習慣がないため、奇異な目で見られるということもある。街角でポケットティッシュを配るなどのことも行われてはいない。
その反面、日本では処方薬となっている第二世代抗ヒスタミン薬が、国によっては一般の薬店で買えるなどのこともある。しかし、それが自分の体質に合っているとも限らない。特にヨーロッパでは、当地の伝統医療であるホメオパシーのレメディを勧められることもあるという。
これらのことにより、花粉症患者が事情がよくわからない国へ訪れる場合は、シーズンを問わず、念のために自分に適した薬とマスク程度は持参したほうがよいといえる。一般に花粉症はきわめてまれと考えられている、いわゆる南洋の島などに観光旅行に行ったさいにも、原因不明の花粉症様の症状に苦しめられたとの情報もある(多量に栽培されているマンゴーやサトウキビなどによる可能性がある。これは国内でも、南方へ旅行した際に同様なことが起こる可能性がある)。

特に病院で抗アレルギー薬の処方を受けている患者が、シーズン中に短期(1週間前後)の旅行を行う場合は、その効果を減弱させないためにも、旅行中も薬の服用を欠かさないほうがよい。やや長めの旅行であれば一時中断してもよいが、帰国時が花粉症シーズンであるならば、その数日前から予防的に薬を服用しておくとよい。これは初期治療と同じ原理である。
但し、国によって使用が許可されている薬と禁止されている薬は当然違っている為、渡航先の国がその薬の所持を許可しているかどうかを出来るだけ事前に確認しておく事が望ましい。日本では普通に処方されていても当該の国や州では違法、と言う扱いになっていた場合、よくて税関での没収、最悪の場合勾留や逮捕、強制送還をされてしまう恐れがある。

ペットの花粉症

近年ではペットの花粉症も問題となっている。イヌの花粉症は1998年に、ネコの花粉症は2000年に初めて報告されたとされるが、ヒトの場合と同様、それ以前から存在したと推測される。特にイヌにおいては、ヒトのような鼻症状より毛が抜けるなどの皮膚症状が多く見られ、見た目にも悲惨な状態となることが多いといわれる。
獣医師により検査や治療は可能だが、イヌにおいてはヒトと違って抗ヒスタミン薬が効きにくく、ステロイドに頼らざるを得ないことが多い。重症の場合は減感作治療が行われることがある。ネコにおいては検査も治療も困難であるといわれる。
近年はこうしたペット向けのサプリメント類も販売されるようになってきている。

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